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プリンス×プリンセス

第56章 二人の子供

外遊も予定通り終了した。

フェールロコノへ戻る小型ジェット機の搭乗口へ向かいながら

「双子の子供が双子、か」

俺の前を歩くディオチェスター様がそう呟き…

自分の呟きに、笑いをこぼした。

「ジューク、どう思う?遺伝子的に確率は高いのだろうか?」

「どうなのでしょうね」

遺伝子レベルでの確率では、はっきりした検証はされていないように思う。

それに…

「ティアナ様の場合、排卵誘発剤を飲まれていましたから」

妊娠が困難な体ではない。

婚姻前に病院で検査した時にそう診断された。

付き添ったときに聞いたから間違いはない。

けれど、それでも早い段階で子供を宿せるようにと、不妊治療に近いものを受けていた。

俺の発言に、ディオチェスター様は歩みを止めず、目線だけをこちらに寄越すと

「そちらの確率の方が高そうだな」

そして、すぐに前を向くと

「何がなんでも子供を残したい、か。我が国の医療の粋を尽くした結果だな」

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