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プリンス×プリンセス

第56章 二人の子供

ティアナ様の気持ちがよく分かり、何とも微笑ましく見ていると

「いや、後にする」

…は?

ディオチェスター様のすげない返事に、ティアナ様の頬が凍りついた。

「そう…ですか…」

ティアナ様は明らかに意気消沈している。

この返答は酷すぎないか?

思わず眉をひそめると

「まずはお前に会いたくてな」

ディオチェスター様はそう言って、ティーカップを皿に戻す。

「…え?」

何を言われたのか理解出来ないようで、ティアナ様はディオチェスター様を見つめる。

すると、ディオチェスター様はそんなティアナ様の右手をとり、手の甲にキスを落とした。

「ありがとう」

驚くティアナ様の目を真っ直ぐ見つめ

「自らの命を懸けて俺の子を成してくれた事。自らの人生を俺に懸けてくれたこと。お前に感謝する」

この人がこんな感情を持ち合わせていたなんて。

目の前で起こっている事なのに、どうにも受け入れがたい。

それはティアナ様も同じようで…

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