テキストサイズ

プリンス×プリンセス

第56章 二人の子供

その後、ティアナ様の部屋から御子様たちのいる部屋へ向かう。

ティアナ様も一緒に向かいたいご様子だったが、体を休める事を優先してもらった。

廊下を二人だけで歩きながら、少し前を歩くディオチェスター様に声をかけた。

「それにしても、よくお気付きでしたね」

「何がだ?」

「ティアナ様がお腹の子に話しかけていたとか…」

ディオチェスター様からそう言われた時のティアナ様は心底驚いていて…

しかも、嬉しそうに見えた。

先程、空港で『大事にしろ』と忠告したときの態度。

この人はこの人なりに…ティアナ様を大事にしていたのだろう。

それが分かるような出来事だった。

思い返して頬を緩ませる…と

「あぁ…聞いた」

何でもない事のようにさらりと答えられて…

聞いた?

ティアナ様からではないのは、先程の彼女の様子から明らかだ。

では…あの方から…?

思い当たったその途端、背筋を何かがぞわりと這っていった。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ