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プリンス×プリンセス

第57章 傍にいてくれ…

夜になったらディオが帰ってくる。

そう聞いたから…

夕食を食べてから、一歩も部屋から出ないと心に決めた。

『俺もお前に早く会いたい』

ディオの声はまだ耳に残ってる。

くすぐったいような、照れくさいような…

思い出すだけで地団駄を踏みたくなるくらい、こっ恥ずかしくてたまらなくて…

でも、今日は。

初めて自分の子供が生まれた、一生に一度の記念の日だ。

俺なんかに構うより、姉上と子供達のために時間を使って欲しい。

だから、顔を合わせないように部屋に隠っている。

特にすることもないから、カムリを早々に解放して。

静寂に満ちた部屋に一人きり。

…何だか妙に落ち着かない。

はぁ…とため息が洩れ出た。

早いうちに寝てしまおう。

シャワーだけの入浴を済ませ、髪を拭いていると

コンコン…

ドアをノックする音がした。

誰だ…?

こんな時間に訪ねて来るなんて、カムリか姉上か…

あと一人の可能性を頭から振り払って、ドアノブに手をかける。

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