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プリンス×プリンセス

第57章 傍にいてくれ…

頭を撫でられて、ドキドキと鼓動が高鳴っていく…と

「そう思ううちは…傍にいてくれ」

静かな声と共に、名残惜しそうに髪に絡めた指が離れていった。

「ディオ…?」

いつもと違う行動に、違和感を感じて呼び止めれば

「昨日は無理をした。まだ時間も早い。ゆっくり休め」

「あ…うん…」

確かにカーテンから覗く外の景色は暗いままだ。

もう一眠り出来そうではある。

「ディオも…寝ろよ?」

「ああ。分かっている」

くすりと笑いを残して、ディオは寝室のドアを静かに閉めた。

その音を聞き…再び枕に頭を埋める。

確かに…疲れた。

でも…

さっき感じた違和感が頭を掠めていく。

ディオ…どうしたんだ?

あんなに弱々しげな目をしたディオを初めて見た気がする。

寝返りをうつと、さっきまでディオが寝ていた場所がほんのり温かい。

ディオ…

子供のせい…なんかじゃないよな?

その部分のシーツを撫でて、目を閉じる。

ディオが傍にいるような気がして…すぐに眠りに落ちていった……

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