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プリンス×プリンセス

第57章 傍にいてくれ…

笑いを交えて話すと、ディオが顔をゆがめて

「おじさん…そんな歳か」

苦笑いを浮かべるから、俺は口を尖らせて言った。

「姉上の子なんだから叔父で間違いないだろ?」

「そうか…叔父か…」

そう呟くと、くっ…と喉の奥で笑う。

「…どうしたんだ?」

ナイトスタンドの薄暗い照明の中でも分かるくらいに、いつもと違っている。

「そんな顔…お前らしくないだろ?」

「ほぉ…。ならば俺らしいとは何だ?」

そう聞く声も覇気がなくて…冗談でもきつい言葉が言えない。

「いつも冷静で、先読みが凄すぎて今何を考えてるか分かんなくて…」

会ってすぐは、なんて嫌なやつなんだろうって思ってた。

「…でも…優しい、かな」

最後の言葉を伝えたら、急に恥ずかしくなった。

ヤバい!!

これは完全に『言わなくてもよかった』事だ!!

枕に頭を埋めて顔を隠す。

すると、着替え終わったディオが近付く足音がして…

「そうか。お前は俺をそう見ていたか」

その声にドキッと心臓が音をたてる。

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