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プリンス×プリンセス

第58章 裏切りの証言

次の日ー

少しだけ気だるい体を起こして、シャワーを浴びた。

昨日のディオの痕跡を洗い流す。

こうやって…罪悪感とか後ろめたさも流せたらいいのにな…

シャワーを止めて、タオルで体を拭きながら脱衣所に戻る。

鏡の中の自分は冴えない顔をしていた。

無表情で…気分が沈みきってるのがすぐに分かる。

新しいタオルを頭に被り、ため息をついて髪を拭く。

…こんなんじゃ駄目だろ。

自分に言い聞かせて…

鏡の中の自分をじっくりと見た。

正面、顔をあげて首の周り、うなじ、背中…

赤くなっているのは、昨日ディオに噛まれた喉仏の辺りだけ。

そっとその場所に触れれば、じんわりとした痛みが伝わってくる。

今日は…ハイネックの服じゃないと隠れないな。

あいつ…少しは加減しろよ。

ふと、鏡の中の自分が笑みを浮かべているのに気付き…

ため息をついて、鏡を睨み付けた。

この関係がいつまで続くかわからない。

だから少しでも長くこうしていられるように…気を張らないと。

頭を振って…気持ちを切り換えた。

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