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プリンス×プリンセス

第58章 裏切りの証言

着替えを済ませて、気合いを入れてから部屋を出た。

朝食の前に少しだけ子供たちの顔を覗きにいくつもりだ。

あの子達の産声を聞いただけで、まだ顔を見ていない。

姉上とディオの子供なら可愛いに決まってるだろう。

それにしても。

違和感を感じて、周りを見回した。

子供たちの部屋に向かう間、従者に一人も会わないって…どういう事だ?

今日は珍しくカムリも訪ねてこなかった。

いつもなら

「朝食の支度が整いました!!」

とか言いながら起こしに来る時間なのにな。

妙な静けさの中、子供たちの部屋に着き…

静かだな。

泣き声も…物音もしない。

寝てるのかな?

起こすとまずいかも…なんてドアをノックするのに躊躇していると

「あ!テリオス様!!」

カムリが俺を見つけた途端、パタパタと駆け寄ってきた。

「な…どうかしたのか?」

おはようの挨拶も忘れるくらい、カムリの表情は緊迫していて…

「まさか…子供たちに何かあったのか!?」

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