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プリンス×プリンセス

第58章 裏切りの証言

俺の問いかけに、カムリは眉を下げたまま…今にも泣きそうで…

「女の子は?どこにいるんだよ!?」

嫌な予感しかしない。

相手は赤ん坊だぞ!?

一人で何処かに行くなんてあり得ない。

だったら…?

「カムリが言えないなら、ディオに聞く」

「ディオチェスター様は!!…出掛けています…」

は?

出掛けるなんて話、聞いてないんだけど!?

「なら…姉上…」

「ティアナ様は…きっと、難しいと思います…」

カムリは自分の服の裾をぎゅっと握って、眉を寄せる。

難しい?

「難しいって…何が?」

「誰も…事情が分かってないんです」

は?

「分かっているのは…ジューク様が…」

ジューク?

あいつも昨日、ディオと一緒に帰ってきたはずだ。

「姫君を連れ去ってそのまま…」

…え?

連れ去った…?

想定外の出来事に、戸惑うしかないのに

「…亡くなられたそうです」

もう…どう反応していいのかも分からない。

「…何で…?」

口からこぼれた疑問に答えられる人は…ここには居なかった…

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