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プリンス×プリンセス

第9章 ファーストキス

惹かれるも何も。

こいつにはそんな感情、何もないだろ?

何せ、選んだ理由が『無難』なんだから。

嘘にしてもどんな事を言うのか予想がつかなくて、ディオチェスター王子を窺う。

すると、一つため息をつき、俺を見て首を傾げると、さらっと言った。

「一目惚れだ」

は…っ?

驚きのあまり、目を瞬かせていると

「ティアナ様、驚いておられますが?」

笑いを含んだ声で記者が質問してくる。

「初めてお聞きしました…」

これは事実だからな。

一目惚れって…何だよ!?

お前に一番最初に会ったのは、姉上じゃなくて…俺なんだぞ!?

混乱している俺に、ディオチェスター王子はくくっと笑い声を洩らした。

そんな王子に、記者が賛同を求める。

「初々しいお姿も素敵ですね」

「そうだな」

そんな事答えるんじゃねぇよ!!

「からかわないで下さい…」

姉上らしく、困り顔でうつ向くと、それもまた写真を何枚も撮られる。

すると、ジュークがマイクを取り、記者に向かって話した。

「では、次で最後の質問とさせて頂きます」

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