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プリンス×プリンセス

第9章 ファーストキス

何人も手を上げる中、ジュークが選んだ記者は

「お祝いの席でこういった質問は失礼にあたると思いますが…」

と前置きをして質問してきた。

「先ほどの騒動についてお聞きしてもよろしいですか?」

ざわっと色めき立つ会場の雰囲気に、ジュークが堅い声で答える。

「詳細は書面でお伝えした通りです」

そうか。やっぱり報道規制が入ってたのか。

道理でその事に触れてこなかった訳だ。

だけど記者も負けていない。

「経緯は分かりました。ですが、ティアナ様のお気持ちをお聞きしたいのです」

記者の言葉に周りも活気付いたのが分かる。

ジュークが口を開きかけた所で、手を上げて止める。

「…ティアナ様?」

「私で答えられる事でしたら」

ディオチェスター王子が目を細めた。

そんな王子に小さく頷くと、記者を見据える。

「弟君のテリオス様はご無事との事ですが?」

「はい。少し火傷はしましたが、軽傷です。今は大事をとって休んでいます」

…という事にしてもらってある。

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