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プリンス×プリンセス

第58章 裏切りの証言

呆然と固まった私たちに、ルークスの叫びが聞こえました。

「ジューク様!?」

咄嗟に車を追いかけて…ですが、勢いつけて走り去った車を追いかけるなど無理な話ですよね。

ルークスはこちらを振り向き…

「何をしている!?追え!!」

言われて…慌ててエンジンをかけました。

前を行く車が、カーブの続く峠道を進んでいくのが見えました。

ルークスが助手席に乗り込み、ギアを入れ替えた所で…

「あ!!」

後部座席から驚きの声が上がり

「そんな…」

私も言葉が続きませんでした。

ブレーキを踏んだまま、車を動かすことなど考えられない位の出来事で…

「ジューク様…」

ルークスの呟きが耳を打ちました。

私たちの目の前で、峠道を下っていた車が…

凄まじい衝撃音と共に

崖下の湖へ落ちていったんです…

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