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プリンス×プリンセス

第58章 裏切りの証言

【デュアリスの証言】

犯人を取り押さえて、とりあえずホッとしたのは事実ですね。

ジューク様も姫君様も無事でしたし。

犯人も意外と小者だった様で、ぶつぶつと言い訳を呟く位で、暴れる事もありませんでした。

城に連れ帰って、それから聴取をするつもりで…その時点ではあまり話を聞いてはいませんでした。

後部座席に犯人を挟んで二人座り、私は運転席に座りました。

前に停まっている車に、ジューク様達が乗り込むのを見ていて…

少し、意外でした。

いえ、ジューク様が運転席に座ったのが、です。

大体こういう時は、部下が運転するものですから。

まぁ、決まりがあるわけではないのですが…慣習みたいなもの、でしょうか?

珍しいな、とは思いました。

するとルークスが、後部座席のドアを閉めて、車の後ろ側を通って助手席のドアを開こうとして…

車の中の四人共、「え?」と呟いたきり、絶句しました。

そんな私たちの目の前を、勢いよく車が走り抜けて行ったのです。

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