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クローゼットの前まで来て、ふと振り返ると。

ルークスさんは机の引き出しを取り外すと、底や天板の裏などを確認していて…

私物の整理をすると聞いていたのに。

何だか…隠された『何か』を探しているみたいだ。

クローゼットの扉を開くと、執事の制服と普段着がきれいに分別されていた。

…と言うか…

普段着が異常に少なくないか…？

いくら休みの日にしか着ないと言っても、この枚数で過ごせるものなんだろうか？

かなり違和感を覚えたものの、首を振って考えを追いやった。

今は依頼されたことをやらないと。

私物だと思われる衣服をあらためて…問題がないものをたたみ直して段ボールに詰めていく。

全てのものが問題なく終わり、支給された制服が残った。

ポケットは全て確認して、何も残っていないと確認する。

「何かあったか？」

「いえ。特には」

僕の答えに、ルークスさんはため息をついた。

「そうか…違うのか…？」