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プリンス×プリンセス

第59章 沈黙の刻

「あの人の生き様」

「え?」

何かの資料とか画像とか…そういったものだと思っていた。

なのにあまりにも漠然とした答えに、目をぱちくりさせた。

生き様…って…?

「今までやってきたことの全てが、ここに入ってる」

ルークスさんはカードをかざし、苦笑いに似た笑みを浮かべてみせた。

もしかして、日記のようなものだろうか?

だけど、だとしたら…何でこんな隠し方をするんだろう。

そして、どうしてそれをルークスさんは知っているんだ…?

「ごめんなさい。よく分からないです…」

正直に言葉にすれば、ルークスさんはくくっと愉しそうに笑った。

「だろうな」

自分の鈍さに申し訳なくなる。

「だが…これから知ることになるさ」

え?

うつむいていた顔を上げてルークスさんを見れば、怒る所か晴れやかな表情を浮かべていて…

ええっ?

意味のつかめない僕の背をパンッ!!と叩くと、ルークスさんは上機嫌でこう言った。

「さあ、忙しくなるぞ!!」

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