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プリンス×プリンセス

第60章 罪と信用

あの日の…8時過ぎ?だったかな。

仕事終わりでそのまんま、一杯引っかけにバーへ行ったんだ。

バーの名前?

keynote(キーノート)って…結構古びた、こじんまりとした店。

何回か通ってるし…店の人に聞いてもらえば俺のこと分かるんじゃないかな?

で、そこで飲んでたら。

隣に立った男が声をかけてきたんだ。

「暇をもて余してるなら、バイトでもしないか?」

そりゃあね、突然そんな話されれば、俺だって身構えるさ。

けど、その前に店員に、仕事の契約取り損ねたって愚痴ったばっかで。

聞いてたんだろうな、多分。

契約報酬もらえないから、金回りがきついのも事実だし。

酔ってたし?

つい、話に乗っちゃった訳よ。

「どんなバイト?」

「簡単な仕事だ。俺の代わりに荷物を取りに行ってほしい」

「荷物?」

「ああ。片手で持てる程度のものだ」

それを運ぶだけで5万くれるって言うんだぜ?

そんなおいしい話、受けない訳ないだろ!?

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