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プリンス×プリンセス

第61章 執着心

俺が『事故』を知った、その夜。

ディオから姉上に、直接話があった…らしい。

「二人だけで話したい」とシルフィも遠ざけられたと聞いた。

そこでどう伝えられたのか…

俺がカムリから詳しく聞いたのは、ジュークが姫を病院へ連れていくと連れ出し、誘拐犯に引き渡そうとした。

けれども、ルークス達が阻止して、開き直ったジュークが姫と逃走しようとして運転を誤って崖から落ちた…

そんな話だった。

にわかには信じられない。

だけど、状況と証人がいる。

そうとしか考えられないほど、状況は明白なんだそうだ。

ディオから話を受けた姉上は…情緒不安定で。

姫を想い、泣き崩れる日が続いた。

そして、それと共に…

男の子ー名前はマキシミリオンに決まったーへ、過保護ともとられないほどの愛情を注いでいる。

頼むはずだった乳母も断り、自らが世話にいそしんでいる。

その姿は微笑ましくもあり…

それでいて痛々しく思えるんだ…

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