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プリンス×プリンセス

第61章 執着心

そんな中で。

「マックスの御披露目会…ですか?」

ディオからの提案に、姉上は戸惑いの表情を見せた。

「ああ。再来月の予定だ」

「再来月」

「本来ならもっと早くに行いたかったが…色々あったからな」

色々。

含みがありすぎる言葉だな。

生後1日で誘拐された姫君。

犯人は王室の内部に精通した人物で…

腹違いとはいえ、皇太子の実の兄。

しかも二人とも死亡した…

どう報道されてもセンセーショナルになりかねない。

だから…

生まれたのは王子が一人。

ジュークは…退職して、別の国へ旅立った。

そうすることで、事件そのものを『なかった事』にしてしまったんだ。

揉み消したり、辻褄を合わせたりの『色々』。

「そう…ですね」

姉上は腕の中のマックスに目を落とすと

「早く行わないと、一歳のお誕生日が来てしまいますものね」

そう話しかけて、にっこりと笑いかける。

「親戚や親交を深めている国の関係者を招待するつもりだ」

「はい。お任せします」

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