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プリンス×プリンセス

第61章 執着心

執務室を出て、ため息をつく。

全く…ディオの奴。

いいように躍らされてる感じがして、面白くない。

それにしても…

何で兄上から電話があったのを知ってるんだ?

もしかして…あれかな?

城に直接掛けてきたから、取り次いだ人から報告がいくんだろうか?

それでも内容までは分からないと思うのに…

予想であんなに自信もって言い切ってるのか?

まさか…

電話とか、傍受されてないよな?

自分の考えにゾッとして、咄嗟に周りを見回す。

…まさか、な。

ため息をついて、頭を掻く。

あれだけディオに尽くしていたジュークが裏切るなんて。

人に裏切られるなんて経験が今までなかったから…

一度そう思ってしまうと、何もかもが疑わしく見えてしまう。

考えすぎ…だよな?

兄上の話は、もうそろそろ戻れ、って話。

でもなぁ…

こんな状態じゃ、離れたくないんだ。

それを兄上に心配させずに、やんわりと申し出る方法が思い付かない。

「あーっ!!全くもう!」



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