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プリンス×プリンセス

第61章 執着心

そしてその頃…

ティアナはマキシミリオンの側から離れようとしなかった。

そんなティアナを、シルフィは複雑な思いで見ている。

姫君様が亡くなられてから、ティアナ様の興味はマキシミリオン様に集中してしまった。

母親として我が子をいとおしく思うのは、当たり前だと思う。

けれど、ティアナ様のそれは、執着ともいえるもので…

それが良いことなのかどうなのか…私には判断できないでいる。

「ディオチェスター様も…もっとゆっくり出来るとよかったですね」

重い気持ちを振り切るように笑顔を浮かべて話しかけると

「え?」

驚いたようにびくんと肩を震わせて、窺うような目で私を見た。

えっと…

私、何か変な事を言ったのかしら?

自分の発言を振り返っても、特に思い当たる部分はなくて…

「いえ、せっかくお会いしたのに、抱っこも出来ない程お忙しい様ですから」

そう言って、マキシミリオン様に目を向ければ、そこでようやく合点がいったみたいで…。

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