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プリンス×プリンセス

第61章 執着心

「仕方がないわ。だって…」

言いかけて…突然言葉をとめた。

ティアナ様を見れば、口元を引き締めて、眉を寄せて…

まるで涙をこらえているかのような表情をしていた。

「ティアナ様…」

何て言葉をかけたらいいのか思い付かない。

ティアナ様はゆるゆると首を横に振ると

「いいえ。何でもないの。ごめんなさい」

そう言って…私から顔を背けるように、マキシミリオン様に目を向けた。

無垢な表情で眠る王子の頭を撫でれば、絹糸のように細く艶やかな金髪が指をくすぐっていく。

「やっぱり血は繋がっているのね」

マキシミリオン様の髪を愛でながら、ティアナ様は目を細め…

「あなたは…ディオに本当によく似ているわ」

誰に聞かせるでもなく、淡々とした口調で呟いていた。

「だから…大丈夫。あの子の分も…強く生きて」

ゆるい笑みを浮かべながら王子を愛でるティアナ様に、胸がぎゅっと苦しくなる。

何も出来ないまま、胸の前で組んだ手を握りしめた…。

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