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プリンス×プリンセス

第9章 ファーストキス

今思い返しただけでもおぞましい。

何でこいつと…っ!?

口元を拭おうとすると

「化粧が落ちるぞ」

淡々と告げられ、俺は右手を握りしめて下ろした。

くそっ!!

部屋に戻って扮装を解いたら、真っ先に顔を洗う!!

険しい表情の俺に

「お前が気を失うからだ」

片方の唇を上げて、冷笑を浮かべた。

「お前を医務室に運ぶやら、ティアナの部屋に連れて行くとか騒ぎだしてな」

え…?

倒れていた時間はそんな長くないと思っていたのに…。

その内に、そんな大事になっていたんた。

「そんな事をされては、ここまでの努力が無駄になるだろう?」

あ…。

確かに医務室に行けば、先生にはバレる。

姉上の部屋には、姉上が寝てるんだから…俺を運び入れる訳にはいかない。

俺や姉上の事を思って…?

「ならばお前をあの場で起こすしかない」

確かにそれが一番手っ取り早くて、他に気を使わなくていい方法かもしれない。

でも、だからって…キスするかぁ?

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