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プリンス×プリンセス

第9章 ファーストキス

「ご心配をおかけしました。大丈夫です」

そう言って軽く頭を下げると、皆から安堵のため息がもれた。

「無理をさせたな。…ジューク」

「はっ!」

ディオチェスター王子の呼び掛けに、ジュークは一歩前に出て、胸に手を置いて敬礼する。

「ティアナを休ませたい。部屋まで送ってくる」

ディオチェスター王子の申し出に、ジュークは目を丸くした。

「ディオチェスター様が…?」

「問題でもあるのか?」

目を細くして嫌味ったらしく聞く王子に

「いえ!かしこまりました」

ジュークは胸に手を当てて、頭を下げた。

「行くぞ」

俺の肩に手を回したディオチェスター王子に、にっこりと微笑み返した。

「はい」

メイドたちからざわめきが聞こえる中、俺たちは控え室から姉上の部屋へ歩いていって…

「で?」

周りに誰もいない事を確認して、ディオチェスター王子の手を払い除けて、キッと睨み付けた。

「何だ?」

「何で目が覚めたらあんな事になってんだよ!?」

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