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プリンス×プリンセス

第63章 盗み聞き

それにしては、ディオとジュークの事について詳しすぎる程知っているようだし。

それに…老人を見る、ディオの顔が…

笑っているのに、心の奥底で見下しているような…

「まぁ、今はマキシミリオンがいます。彼の出番はもう無い」

感情のこもらない微笑みを浮かべて肩をすくめたディオへ、老人は焦りの声をあげる。

「と…ともかく、この扱いはないだろう!?」

小さな墓石を指差して叫ぶ老人の気持ち…

私には痛いほど分かる。

私も同じことを思ったから。

けれど、ディオには届かない。

「何故?」

微笑みを浮かべたまま、冷ややかに問う。

「彼は表向きには放浪中です。そんな者の墓を豪華にする必要は無いのでは?」

ディオの問いに、老人は言葉に詰まる。

苦々しげに口を歪め…

「そもそも…何故死を隠す?」

呻きながら、ディオに抗議した。

「せっかく生まれた娘の存在まで葬り、何故隠蔽するんだ!?」

老人の抗議に、ディオの眉がピクリと動いた。

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