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プリンス×プリンセス

第63章 盗み聞き

……やっぱり。

予想通り、ディオと老人は石の前で歩みを止めた。

「何だ?ここは」

老人が苛立ったような声をあげる。

「墓に案内すると言わなかったか!?」

「ですから。墓です」

「…これが、か?」

老人は石を見ると、口元を歪めて…

フン、と鼻先で笑った。

「仮にもお前の兄だろう!?公式にはされていないが王家の血筋の者だぞ!?」

「そうですね」

憤る老人に、ディオは微笑んでいる。

「俺に何かがあったら、彼が唯一の王位継承者だ…とか」

…え!?

確かにジュークはディオの義兄だけど…

王位継承とかに絡んでくる立場にはないと思っていた。

「誰も認めていないのに、何故か周知されている」

ディオはそう話した後、くくっ…と喉の奥で笑う。

「誰が吹聴しているのやら」

面白がるような声に、老人は歯噛みして悔しげな表情を浮かべる。

この老人は一体誰なのかしら。

老人の顔に見覚えはない。

だから親戚の人ではない…と思うのに…

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