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プリンス×プリンセス

第64章 置き土産

この人の言葉からは…忠誠といったものは感じられない。

むしろ、絶望に近いような…

奴隷

ふざけて言ったのかと思っていたけれど、案外…真実なのかもしれない。

ディオも何か含むものがあったのだろう。

「従者に思われているな」

「そうだな。貴様と私は違うからな」

キサンタンガムの国王が誇るように笑えば

「成る程。そうかもな」

そう言って、嘲笑を浮かべた。

その途端、後ろから歯ぎしりのような音がして…

「さあ!早く!!」

男が感情的にディオを急かす。

私に回った腕に力が入り、前方へ押されるまま数歩足を進ませる。

すると。

左側の木立から、ガサガサと物音がした!

「誰だ!!」

男が咄嗟に音のした方向へ顔を向ける。

その瞬間

「ぎゃあぁぁっ!!」

凄まじい叫び声が響き、私を封じ込めていた腕が外された!!

それと共に

「ティアナ様!!」

右側から腕を引かれ、誰かが男と私の間に割って入ってきた!

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