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プリンス×プリンセス

第64章 置き土産

私を自らの背後に守り、男と対峙しているのは…

背の高い、男の人。

黒色の執事服。

まさか…

心臓が高鳴りすぎて、めまいを起こしそう。

「ジュ…」

その人の名前を呼び掛けようとして…そこで気付く。

ジュークじゃ…ない。

「…ルークス…」

半ば呆然として目の前の人の名を呼んだ。

ルークスは一瞬私に視線を投げたけど、すぐに顔を前に向けた。

その視線の先には…

右目を押さえ、膝をついたまま痛みに耐えている男の姿があった。

「き…貴様、何を…っ!!」

彼の見ている先…さっき物音がした方向にも、男性がいた。

その人は右手に持った細長い棒を男に向けている。

あの人…確か、ディオと外遊した時に同行した従者だわ。

ジュークの部下で…

「デュアリス」

ルークスの呼び掛けに、デュアリスは男に近付く。

「ぐっ…!来るな!!」

男は片目を押さえたまま、反対の手を振って避けている。

けれどデュアリスの方が動きが機敏で…

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