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プリンス×プリンセス

第64章 置き土産

カチッと停止音がして、辺りはしんと静まり返った。

目を開ければ、さっきと変わらない状況が見える。

そんな静寂の中で口火を切ったのは…ディオ。

「あなたとジュークの会話だ」

「こんなものが何故!?」

「あいつの部屋を調べたら出てきた、と言った筈だが?」

ため息が聞こえそうな様子のディオに、国王は焦った様に顔をしかめる。

「わざわざ通話の内容を録音していた」

ルークスがポケットへ機械を仕舞いこんだ。

それを横目に、ディオは国王の正面に立つと

「要するに、アイツはお前を信用していなかったと言うことだ」

強い視線と共に断言されて、国王は握りこぶしをぶるぶると震わせた。

それは離れた位置の私でも分かるくらいで…

「ジュークめ!!恩を忘れおって!!」

忌々しい。

そんな気持ちがありありとこもった声。

すると、デュアリスの真下から男が呟く声がした。

「恩など…感じる訳がない」

呟きの後、笑う声は…どこか泣き声に似て聞こえた…

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