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プリンス×プリンセス

第64章 置き土産

疑問符が頭の中で渦巻く。

初めて聞く話に、理解が追い付かない。

震える手を組み合わせて胸に抱えて…

何が正しくて、何が間違っているのかさえも…自分では判断出来なくなっていた。

そんな時、耳を打ったのは…

『そ…そうだな。ディオチェスターの子供さえ始末できれば、あとは望み通りだ』

……え……?

胸にヒヤリと冷たい風が吹いた。

始末…?

始末…って…?

スピーカーからはまだ何か音が鳴っている。

でも私の耳には何の音も入ってこなかった。

ずっと…キサンタンガムの国王の声が繰り返し聞こえてくる。

ジューク。

貴方はルーミーを…『始末』するつもりだったの…?

頭にじんじんと痺れが広がっていく。

自力で立っていられなくて、近くにあった木に凭れると、深く息をついた。

ジューク…

目を閉じれば、すぐにでも顔が浮かぶ。

その人を…眉頭に力を入れて、無理矢理追い払おうとしていると…

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