テキストサイズ

プリンス×プリンセス

第10章 下準備

勘弁してくれよ…。

椅子に腰掛けると、頬杖をついて不機嫌な表情を作った。

そんな俺に、姉上はふふっと笑うと

「懸命に私を助けようとするディオチェスター様に、私への愛情を感じたそうよ?」

「…良かったな!!」

「そうね」

自棄になって言ったのに、肯定されてしまうと返しようがない。

新聞に写るディオチェスター王子を睨み付けた。

お前のせいだからな!!

…ってか、『懸命に』なんて…

お前、一体何回キスしやがったんだよ!?

不機嫌さを表に出していると、新聞記事を読んだ姉上が質問してきた。

「ディオ、ね。いつからそう呼ぶようになったの?」

だよな。

「会見の直前」

姉上は目を丸くした。

「それで記者にあんな返しをしたの?」

それに答えず、頬杖をついたままふて腐れていると

「テリオスも侮れないわね」

姉上がクスッと笑って呟いた。

侮れない?

その口調と言葉に不自然さを感じて姉上に目を向けると、にこっと微笑まれた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ