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プリンス×プリンセス

第10章 下準備

「それで?私もそう呼んだ方がいいのよね?」

「そりゃあそうだろ!?」

姉上が言わなきゃ、誰が呼ぶんだよ!?

「でも私が直接言われた訳じゃないし」

姉上は小首を傾げると、唇に指を当てて何かを考えている。

…姉上?

すると、何か閃いたように手を合わせて

「そうだわ。テリオス、あなたもそうお呼びしたら?」

名案のように言うなよ!?

「何で!?」

眉を寄せて聞き返せば、

「あなたが言われたんでしょう?『一目惚れだ』って」

そう言って、にんまりと笑われた。

「姉上!?」

慌てた俺に、姉上はクスクスと笑いをこぼして

「ごめんなさい。からかい過ぎたわね」

そう言いながらも、しばらく笑い続けていた。

まったく…。

からかいのネタにされるのはいいんだけどさ。

それでも、心の何処かではそれが面白くないと思ってる自分もいて…

ふて腐れたままでいると、姉上が笑いを止めて咳払いをした。

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