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プリンス×プリンセス

第65章 キサンタンガムの裏側

「俺?」

「エストラーザから何か話があったのだろう?」

言われて、さっきまでの兄上との会話を思い出した。

会話と言っても、兄上が一方的に話してばかりだったけどな!

「ああ…相変わらずの話だ」

いつまでフェールロコノにいるんだ?

いつ戻ってくる?

兄上の話はそればっかりだ。

「どうするんだ?」

「やっぱ…一度帰らないとマズイかな…」

「いつ?」

「マックスが一歳になったら…?」

兄上は『それくらいが潮時』だと言う。

だけど、マックスの誕生日なんて、もう半年もないじゃないか。

「成る程な」

ディオは驚くでもなく、俺の言葉を受け止める。

予想してたのかもしれないけど、もう少し…残念がるとか、ショックに思うとか…反応してくれてもいいだろ!?

不満を込めてディオを見ると、ディオは目を細めて呟いた。

「ならば、少し事を急ぐか」

「は?何を?」

何の話をしているんだ?

戸惑う俺に、ディオは短く答えた。

「旅行だ」

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