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プリンス×プリンセス

第65章 キサンタンガムの裏側

それがジュークのしたかったことじゃないのか?

あの書類は、自分に万が一の事があった時の保険。

それをディオが見たら…絶対に動いてくれる。

そして、本当にそうなってる。

頭を掻くと、もう一度ため息をついて…少しだけ笑って見せる。

「お前らがもうちょっと意思の疎通を計っていればな」

「何の話だ?」

「お互い素直ならもっと早くに解決出来ていたのに」

それを聞いて、ディオは苦笑いを浮かべた。

仕方ないか。

王族の立場とか、身分とか、過去の出来事とか…

ディオだけではどうにもならないしがらみで動きがとれなくなってたのも分かるから。

残るのは悔いだけ。

「生きてるうちに、どうにかしてやりたかったな」

ボソリと呟くと

「生きてるうちに…か」

ディオもそう繰り返して…何やら遠い目をしている。

やっぱり後悔してるのか?

何て声をかけたらいいのか考えてしまうと、ディオが思い付いたように聞いてきた。

「そういえば…お前の方はどうなった?」

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