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プリンス×プリンセス

第66章 湖畔の少年

確かに、突き落とされた事で騒ぎになってしまって、誰と話をしたとかの報告はしていなかったよな。

「ごめん。伝え忘れてた」

「ううん。あんな事の後だもの」

姉上は首を振ると

「でも…キサンタンガムで話したのなら、『私』として話したのよね?」

「あ…うん」

あの時は姉上のふりをしていたから。

「何を話したのか、聞いてもいい?」

いい?と聞きながらも、駄目だとは言わせない雰囲気が漂ってる。

別に聞かれて困ることもないんだけどさ。

「えっと…まぁ、挨拶と…あとはシエンタの話かな」

「シエンタ王女の?」

「謝罪された」

口の端を曲げると、姉上は眉を下げた。

「それは…彼女のせいではないのに」

「それも言ってた。でも責任があるからって」

そう言いながらも、かなりムッとしてたけどな。

あの時の様子を思い出すと、自然と頬が緩む。

「それは…しっかりした方なのね」

「そうだね。次期女王って感じだよ」

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