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プリンス×プリンセス

第66章 湖畔の少年

何で驚いた顔をするんだよ。

まさか本当にディオの犬扱いしてる訳じゃないだろうな!?

「ジュークの代わりはルークスとか…適任者がいるだろ」

ジュークがいなくなって、今までと同じように…なんてのが無理なのは分かってる。

実際、あいつの周りがごたついてるのは事実だし。

だけどそれをどうにかしてやるのは俺じゃない。

どうしたって俺は、この国では『部外者』なんだ。

すると姉上はぎこちない笑みを浮かべたまま呟いた。

「執事の仕事じゃないわ」

え?

一瞬、そう呟いた姉上の目が潤んでるように見えて…

「どういう意味…?」

「旅行、楽しみね」

「姉上?」

問いかけた言葉に被せるように言われ、戸惑って姉上を見れば

「一緒に楽しみましょうね、マックス」

マックスに向ける微笑みは本当に楽しそうな笑顔で。

泣いているように見えたのは、見間違いだったのか?

首を捻る俺を見て、姉上は柔らかく目を細めた。

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