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プリンス×プリンセス

第67章 懐かしき異郷

トグル王国。

フェールロコノより南東に位置するこの国は、国名からしても予想できる通り、ちいさな国だ。

国の歴史も浅い。

と言うのも、元々はシエンタのいるサーバル国とひとつの国だったから。

王位継承を巡って兄弟でいさかいが起き…結果、決別した際に独立国家を作ったのが始まり、らしい。

「トグル王は無駄な争いをする気はなかったからな」

そう言ってディオは片方の眉を上げる。

その口ぶりからして、ディオはトグル王に理解があるんだろう。

そうじゃなければ、留学先に選ぶこともなかっただろう。

それ位、小さな国。

けれど…その小ささ故、なんだろうか?

情報精査が恐ろしいほどに行き届いている。

そのおかげか、技術革新の分野で、最近は諸外国からも一目おかれるようになったとか…

「すごいもんだな」

「敵に回すとやっかいな相手になるかもな」

ディオは冗談めかして話すけど…

案外、本気でそう思っていたりしてな。

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