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プリンス×プリンセス

第67章 懐かしき異郷

そんな…ある意味、厄介な国に旅行に行こうって誘われて。

俺としては「何で?」って疑問符が沸き上がって仕方ない。

だけど姉上は予想外に乗り気だ。

「だってディオから誘われたのよ?以前留学した時に気に入った場所があるのかもしれないじゃない?」

確かに。

ディオがそんな事を言うのは初めてかもしれない。

それだけトグル王国へ姉上を連れて行きたい、ってことだろ?

「大学生の頃のお父様が知れるかもね?」

マックスに微笑みながら話しかけるけど、当のマックスはまっすぐ見返すだけだった。

「大学生の頃ねぇ…」

そんな事言われても、ちっとも想像がつかない。

どうせ今と変わらずの嫌味ヤローだったに違いないだろうけど。

「グレイスさんはその頃、ディオに憧れたのでしょう?」

ん?

「きっと『素敵なお兄様』のようだったのでしょうね」

姉上の言葉に、目を白黒させてしまった。

…あいつが!?

不意にグレイスの顔が思い浮かんだ。

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