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プリンス×プリンセス

第67章 懐かしき異郷

グレイスのおもてなしで、トグル王国の名所を巡ることになった。

史跡博物館や議会堂、何とかって名前の遺跡のような塔や、石造りの重厚な橋だとか…

「気になる場所がありましたら、明日以降にご案内致しますよ?」

グレイスは簡単に言ってくれるけど。

外遊でもなく、ただのプライベートな旅行なのに、王女が案内役だなんて…

かなり気を遣わせてないか?

姉上に目線を送れば、姉上はマックスと…マックスをあやしているユーノスを見て微笑んでる。

さっきのヒヨコのぬいぐるみをマックスの周りでピョンピョンと跳ねさせれば、キャッキャッと楽しそうな声が沸き上がる。

その様子に、ディオが感心したように呟いた。

「手慣れたものだな」

その声に、ユーノスは顔を上げると

「はい。アルバイトで子守りをしているので」

微笑んで語る内容に、俺は目を丸くした。

公爵の息子がアルバイト?

俺の表情に、ユーノスはくくっと笑いをこぼすと

「高等科での社会貢献の一環です」

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