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プリンス×プリンセス

第67章 懐かしき異郷

弟か妹でもいて、小さい子の世話に馴れているんだろうか?

ヒヨコのお腹に仕込んだ笛の鳴らしかたをマックスに教えている少年を見ていると、ディオが咳払いをして

「グレイス。彼は?」

おい!

顎で人を差すの、礼儀知らずだろ!?

ムッとする俺に気付かず、グレイスは失念の表情を浮かべると

「申し遅れました。エクリプス公爵の子息です」

そう言って、少年を引っ張ってディオの前に立たせた。

「えーっと…ユーノスです。お見知りおきを」

ユーノスは眉を上げて明るい口調で名乗った。

髪の色と同じ、薄い茶色の瞳を細めると、手を胸に当ててお辞儀をする。

キチッとした姿勢は、やはり名のある家の者だと感心するくらいだ。

「皆様、移動でお疲れでしょう?車を用意してあります。どうぞこちらへ」

グレイスの先導で、俺達は空港を後にした。

俺達と従者とSPと分散して三台の車に乗り込む。

「せっかくですから車内から観光を楽しんで頂きますね」

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