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プリンス×プリンセス

第67章 懐かしき異郷

「やはり見頃は午前中です。よろしければまた明日以降に」

グレイスはにっこりと微笑むと、運転手に指示を出した。

ゆっくりと流れ出した景色を何となく目で追ってしまう。

「お気に召したのでしたら…今回お休みいただく場所でもご覧頂けます」

ん?

もしかして…宿泊先の用意までグレイスの手を借りたのか?

ディオを見れば、しれっとしたいつもの表情を浮かべている。

お前さ、プライベートな旅行だって言ってなかったか?

こんなの…公式な外遊と何が違うんだよ!

「ただしあちらは白と黄色の花弁のものになりますが」

グレイスの言葉を聞いて、ディオの眉がピクンと動いた。

んん?

「もしかして」

「はい。ディオチェスター様が留学時にお使いになった離れです」

大きく頷くグレイスに、ディオは苦笑いを浮かべると

「ノスタルジーに浸りそうだな」

嫌味ではない柔らかい口調にグレイスは上機嫌だ。

「むしろ第2の故郷だと思って頂けたら嬉しいです」

その言葉に…

ユーノスから小さな舌打ちが聞こえた。

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