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プリンス×プリンセス

第69章 聞いておきたい事

「1年、か」

ディオはそう呟いた後、ふぅ…と一呼吸置いた。

そして俺に向き直ると

「お前の目から見て、ティアナをどう思う?」

「姉上?」

何を突然!?

質問の意図が掴めなくて、顔をしかめると

「気持ちの整理が着いたように見えるか?」

「それは…」

やっと意味が掴めた。

掴めたけど…その答えは難しいもので…

「…悲しさは変わらないだろうな」

マックスの前では良き母親で明るく振る舞ってる。

だけど…ルーミーの墓の前で泣いているのを知ってる。

気持ちの整理なんて…簡単につけられる訳がないんだよな…。

「悪い。配慮に欠いた質問だった」

「別に構わない」

ディオの言葉を拐うように、風が舞い上がった。

俺達の背後の木の枝がそよいで、バサバサと硬い音をたてる。

「でも、姉上は一生懸命前を向こうとしてる」

音を追って空を見上げていたディオが、俺に視線を下ろした。

空を写し取ったような、澄んだ青い瞳が細められて…

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