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プリンス×プリンセス

第69章 聞いておきたい事

当たり前、か。

王子としての立場からすれば、当たり前なんだ。

だけど、俺自身からしたら…

「休みが取れたら、必ず来る」

いつ、とかは今は言えないけど。

その日のために頑張るから。

決意を込めてそう告げれば、ディオはうっすらと笑みを浮かべて聞いた。

「何のために?」

…っ!

「そんなの…わざわざ聞くなよ!?」

「勘違いで済まされたくはないのでな」

……くそっ!

その、ニヤニヤした笑いを引っ込めろよ!

ディオの顔を見ていられなくて。

だけど『勘違い』されたまま別れたくもなくて。

「お前に会いに…だよ!」

囁くくらいの声になったのは仕方ないだろ!?

それでもあまりの恥ずかしさに、体が熱くなる。

どんな顔をしたらいいか分からずに顔を伏せたら

「外なのが惜しいな」

ボソリと呟かれた。

は?

「その言葉は二人だけの時に聞きたかった」

囁かれる声の甘さに、体温が更に上がった気がする。

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