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プリンス×プリンセス

第69章 聞いておきたい事

「お前を手放したくない」

どくん!

ディオの言葉に、心臓が掴まれたように痛む。

少しだけ垂れた目が熱を帯びていて…目を反らす事が出来ない。

以前、エストラーザに帰るって言った時は何も言わなかった。

なのにそれが…お前の本心なのか…?

どくん、どくん、どくん。

心臓の音がやけに響く。

そしてその鼓動の度に、胸が痛くて、息苦しくて…

そんな俺を、ディオは苦悩を秘めた目で見つめてきて…

「俺のために、死んでくれないか?」

………?

「死んで…?へ?」

何を言われたか理解できずに、単語を聞き返した。

馬鹿みたいに瞬きを繰り返す俺に、ディオが答える。

その声はまるで悔いるかのように重くて…

「そうだ。…ジュークと同じように」

驚きのあまり、俺はただ、ディオを見つめ返す事しか出来なかった。

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