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プリンス×プリンセス

第70章 ピクニック

見上げれば、薄い青色の空が広がっている。

所々に綿を伸ばしたような、薄い色の雲が細くたなびいていて…

腕を広げて深呼吸をすると、芝生のみどりの香りがする。

吹く風も爽やかで心地いい。

「いいお天気で気持ちがいいわね」

そう声をかければ、マックスの乗ったベビーカーを押すシルフィが頷き…

その後ろから、両手に荷物をもったカムリが追いかけてくる。

「カムリ、大丈夫?」

「はい!」

元気に返事を返すものの、余裕は感じさせてもらえない。

内心、ため息をついた。

やっぱり、誰かに付いてもらえばよかったかしら。

ピクニックかしたい。

私の願いは本当にささやかなものだった。

外で気分を変えて食事をしたい。ただそれだけ。

本当なら、トグル王国に来た日に見た、あの睡蓮の湖に行きたかった。

でも、ディオ達が乗馬をするから、そちらに警備の人員が必要になる。

もし私があの湖に行きたいと言ったら、ディオ達は乗馬を諦めるだろう。


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