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プリンス×プリンセス

第71章 王女の悩み

それは解るけれど。

「それでも…あれはあなたのせいではないです」

それが私の心からの想い。

多分…テリオスも同じだと思う。

グレイス王女は私を見て、眉を寄せると口角を真横に引いた。

「それはそうなのですが……あ!」

そうグレイス王女は言いかけて、何かを思い付いたように息を飲むと急いで腕時計に目を落とした。

時刻を確認すると、焦りの表情を浮かべ、声を張り上げる。

「ユーノス!時間!」

「へ?あ!!」

慌てたユーノスくんが投げたボールは、方向を誤ってマックスの頭上を越えてしまう。

「あ」

バウンドしながら転がるボールは、湖へ向かっていって…

「やばっ!止まれ止まれ!」

ユーノスくんの制止を聞くこともなく

バチャン!

石に当たって高く跳ね上がったまま、湖に落ちてしまった。

「ありゃりゃ」

ユーノスくんが頭を掻いて嘆く。

そのとたん

「ふぎゃーーーー!」

マックスが雄叫びを上げた。

「あ…ごめん。ごめんって」

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