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プリンス×プリンセス

第71章 王女の悩み

ユーノスくんが謝るけど、マックスはそんな言葉を聞いてくれない。

「あ…マックス、大丈夫よ。落ち着いて」

急いで駆け寄ると、マックスを抱き締めて背中を撫でる。

「ふぅぅー…まんまぁー、まんまぁ」

マックスは泣きじゃくって私を呼ぶ。

ボールが落ちていったのがそんなにショックだったのね。

トントンと背中を叩いてあやしていると

「ボール、取ってきます」

カムリがそう言ってペコリと頭を下げると、湖に向かおうとする。

「大丈夫?」

「はい。まだ遠くまで流されていませんから」

「だったら俺が取りに行く!」

歩きかけたカムリを遮るようにユーノスくんが手を伸ばした。

「え?でも…」

「こういうのは、僕の仕事なので」

私とカムリの制止も、ユーノスくんは首を横に振って否定すると

「投げたのは俺です。責任は俺が」

右手を自分の胸に当てると、にっこり微笑んだ。

「でも…ねぇ」

グレイス王女の婚約者に、そんな事をさせられない。

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