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プリンス×プリンセス

第71章 王女の悩み

やっと落ち着きを取り戻したマックスが、湖に屈むユーノスくんを見ている。

ディオと同じ空色の瞳が、少しだけ涙に濡れて不安げに揺れていた。

「にーに?」

「そうよ?大丈夫。ね?」

マックスを抱き上げたまま、私もマックスと同じ方向を見る。

ボールが近付いてきた。

もう少しで手が届きそう…

「よ…っと!取れた!」

腕を伸ばし、ボールを掴む。

そしてその場でボールを持った手を高々と上げて

「…え!?うわっ!」

急にバランスを崩すと、短く叫び声を上げた!

「ユーノス!」

グレイス王女の声。

それとほぼ同時に

パッシャーン!!

水面を叩く音が辺りに響いた。

「ちょっと…何をしているの…?」

眉を潜めて困り顔のグレイス王女へ、ユーノスくんは落ち込んでいるのか、暗く呟く。

「だよねー……」

マックスがキャッキャと楽しげな声を上げた。

それを聞いて、ユーノスくんは湖に落ちてずぶ濡れの前髪を掻き上げながら、バツの悪い表情を浮かべていた。

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