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プリンス×プリンセス

第71章 王女の悩み

困ってグレイス王女に視線を投げれば、私の視線を受けてくすりと笑みをこぼし

「構いません」

「え?」

あまりにもあっさりとした返答に、一瞬聞き間違えたのかと思うほどだった。

けれど、グレイス王女は笑みを浮かべたまま、ユーノスくんに迷いなく告げる。

「自分の失敗は自分で挽回するものでしょう?」

それを聞いて、ユーノスくんは微笑む。

「…だよねー」

そう呟く表情は…頬を引きつらせているように見えるのは気のせいかしら?

ユーノスくんは1つ息をつくと、膝ほどの高さの囲いをヒョイと乗り越えて湖に向かった。

その時、運が良いことに、向かい風が吹いてきた。

このままなら、手で水を掻けばボールを手繰り寄せられそう。

ユーノスくんも同じように思ったのか、湖の縁に屈み込むと、水面に手を差し入れた。

パチャパチャと水飛沫のはねる音が聞こえる。

「う?ボーウ?」

「ユーノスくんが今取りに行ってくれているから。待っていましょう?」


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