テキストサイズ

プリンス×プリンセス

第72章 聞いてない!

「だけど!お前にも聞きたい事がある」

そう告げると、俺を見るディオの目が細くなった。

「何度も言わせるな」

そんなに煩わしそうに言わなくていいだろ!?

「違う!さっきの…死ねってどういう事だよ!?」

お前、本気でそんな事思ってるのか!?

するとディオはため息をついた。

「死ねとは言っていない」

……そうくるか。

確かにお前が言ったのは

『俺のために死んでくれないか?』

だったけど…

そんなの、同じことだろ!?

さっき、手を払われたのも重なって…

「お前の傍にいないなら、俺は生きてる価値もないのか…?」

言ってから、自分の言葉なのに何だか情けなくなった。

手を握りしめすぎて、爪が手のひらに食い込む。

その痛みすら、意味のないもののように感じてしまう。

するとディオは俺を見て…もう一度、ため息をついた。

「エストラーザに戻るのは、王子としての役割を果たすためなのだろう?」

……は?

いきなり話が飛躍して、頭がついていかない。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ