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プリンス×プリンセス

第72章 聞いてない!

そのままディオを見つめる。

ちゃんと俺にも分かるように話してほしいのに…

そんな俺の思いが通じたのか?

俺の手を握ったまま、ゆっくりと持ち上げられて…

そのまま、ディオの腕から払われた!

「ディオ…!」

俺の手を覆っていたディオの手も離れた。

無意識に追おうとしてしまう手を…ぐっと握り締めて堪える。

何なんだよ!

お前も、姉上も!

2人して『◯◯から聞いてない?』って俺に聞くけど、2人とも教えてくれないじゃないか!?

2人だけ分かってて…俺は何も聞いてないぞ!

苛立ちを奥歯を噛み締めることで押し込めて…

ふうっと大きく息を吐いた。

ディオから話せないのには、きっと理由があるんだ。

それは姉上に思うところがあるもので…

だからこそ、勝手に話すわけにはいかない…とか?

2人して何かを隠しているのは間違いないんだ。

だけど、そういう事なら…

「分かった。じゃあ姉上から聞くよ」

苛立ちをため息と共に吐き出して、改めてディオを見上げる。

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